2005年01月21日

『ハウルの動く城』私的考察3

3回目はタイトルにもなっている、「ハウルの動く城」について分析。
ハウルの城の象徴は、「間違ったやり方で守られた男性の心」を表わしているようです。
城はハウルの心を表わしています。さらに城内部の魔法の存在から、
自分を守るために間違った方法がとられていることも分かります
(魔法については私的考察1を参照)。




注)
これはあくまでFM個人の私的な考え・洞察によるものです。
ほかの見方も当然存在します。
私は各人の考えに、正しい・間違いのレッテルを貼るつもりはありません。
イチ☆意見として、こういう見方もあるのね、くらいにお読みください。
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「ハウルの動く城」

これをキャラクターとするのはちょっと違和感がありますが、
非常に重要なものですので、あえてキャラとして分析。

ハウルの城は以下の特徴があります。

・行き先の違う4つの扉を持つ
・本当の姿は荒地をさまよっている
・掃除されておらず、魔法でレイアウトが決められている
・カルシファーが管理者である

それぞれの特徴から読み取れること

・行き先の違う扉
4つに分かれた扉は、ハウルが自分のプライベートから
社会へ出てゆくとき、様々な方法があることを示します。
王様にも頼られ、政治にすら影響を及ぼす人物として。
町の人々の悩みを解決を与える人物として。
戦火の中、悪魔の力で戦争と対抗する人物として。
ハウルはそれぞれの扉から社会へ出てゆきます。
そして、誰も入れない子供時代の風景へつながる扉があります。

男性は外出先によって、モードを完全に切り替えて出てゆきます。
会社へ行くときは会社モード、遊びのときは遊びモード、
デートに行くときはデートモード。
女性も行く先にふさわしい雰囲気を作り出して外出しますが、
男性の場合、雰囲気だけ変わるようなレベルではなく、
思考回路からものの見方まで、同一人物かと疑いたくなるくらい
完全に別人になります(個人差はあると思いますが)。
女性は雰囲気は変えても、思考回路とものの見方は
プライベートでもオフィスでも、基本的には同じです。

ハウルの扉は、まさに男性が社会へ出てゆく姿を見事に表わしています。
仕事してる男性(王様に謁見するハウル)と、やんちゃする男性
(悪魔の力に抗えないハウル)は、同じ心から出る別人なのです。
そして子供の頃から変わらない、誰も入ることを許されない景色を持っています。

セパレートされた人格と、誰にも見せない幼少の頃からの風景。
それを持つのが男性の心なのでしょう。

・本当の姿は荒地をさまっている
荒地は人が寄り付かない場所として描かれています。
魔女と、呪いのかかったかかし、城以外に人間が存在しない場所。
これは、ハウルの心が孤独の中をさまよっているということを表わしてます。
様々な顔で社会とつながるハウルですが、本当は荒地を当てもなくさまよう
孤独な心をかかえています。

・ソフィーがくるまで掃除されていない
つまり、心の中はぐちゃぐちゃだということ。
さらにレイアウトが魔法によるものだったり、魔女除けのまじないや
お守りにあふれていたりと、間違ったやり方で
心が守られていることも分かります(「私的考察1」参照)。
扉から社会へ出てゆくときにはまったく感じさせないけれど、
孤独の中、不安と恐れに支配される心をハウルは抱えています。

・カルシファーが城の管理をしている
城はカルシファーの炎で動きます。中に誰を入れるかを決めるのはカルシファーです。
カルシファーは炎の悪魔で、代償を要求し自分を低く見積もる天才です。
そのカルシファーによって、ハウルの城(心)は管理されています。
つまり、ハウルの心は、本来の自分(ハウルの心臓)ではなく、
否定的な自己像(カルシファー)によって支配されており、
何かを代償にしなければ城(心)は動かないのです。


城の引越し
逃げ続けていたハウルがサリハンと対面し、
ソフィーを助け出した後、引越しというイベントが起こります。
引越し先は動く城からソフィーの家へ。
これは、ソフィーがハウルの心(城)に入り込んだと考えると、
ハウルがソフィーの心(家)に住んだという点で非常に面白いです。
しかし、サリハンのまじないで場所が割れ、ソフィーは
元の動く城に戻る決意をするのですが、この点はいづれ
考察したいと思います。

思うに…

「城=心」としてこの映画をみると、様々なことを示唆しているなあと思います。
部屋を片付けられない人々って、実はハウルと同じなのではないだろうか?とか。
心の中を間違った方法で、間違ったものに支配されているから、
それが部屋に現れているのかもしれません。

そして、カルシファーが中に入れてしまうソフィー。
有無を言わせず城を掃除するソフィー。
勝手に戸棚の魔法を変えてしまうソフィー。
それなのに、決して追い出されないソフィー。
どんなに間違ったものに支配されていて、ほかを寄せ付けなかったとしても、
心に入り込んできて整理して、本来の姿へ引き戻してくれる存在が、
誰にでもある。そういうことなのだろうなあと思います。

次回は城と密接な関係のある、カルシファーについて。

関連ページ
『ハウルの動く城』レビュー
ハウルの動く城』私的考察1
『ハウルの動く城』私的考察2
『ハウルの動く城』私的考察3
『ハウルの動く城』私的考察4
『ハウルの動く城』私的考察5

posted by FM at 16:13| 東京 ☀ | TrackBack(0) | Howl's Moving Castle | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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