2006年07月22日

肥大化した富の国の使命『ランド・オブ・プレンティ』

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 ■ランド・オブ・プレンティ
 監督: ヴィム・ヴェンダース
 脚本: ヴィム・ヴェンダース マイケル・メレディス
 2004年アメリカ/ドイツ

監督がスケジュールの空白を使って16日で撮りきった
という驚異的な作品。ヒューマンドラマ好きにも、
社会派にもおすすめです。

ヨルダンに暮らしていた20歳の女の子が、母が弟
(彼女の叔父)に渡せなかった手紙を携え、
生まれ故郷アメリカに帰ってくる。


外国で育ち、テレビでしか見たことがなかったアメリカで、
奇妙な危機感を持つ叔父と彼女は出会う。

誇り高く、孤高に蓋しつづけてきたアメリカの絶望と苦しみが、
見事に描かれています。怒りや憎しみでは蓋ができないほどに
膨れ上がったアメリカの痛みと矛盾。自分の真の姿に直面する
痛み。しかし、苦しみに直面した者だけができることがある、
という絶望する者への希望と愛のメッセージ。

アメリカは苦しかった。今もまだ苦しみの最中にいる。
すべてがうまくいってる訳ではないし、問題はそのままだ。

けれども、それらを直視し痛みに向き合うアメリカにしか
できないことがある。絶望は絶望のままでは終わらない、
憎しみでも怒りでもないものによって、再び立ち上がることが
できるのだと。

罪の気づき、傷と痛みを通して与えられる恵み。
そして、アメリカは愛されているという真実。

監督は「これはアメリカの現実を非難する作品じゃない」
といっていました。そのとおりに、もっと先を見つめ、
絶望と苦しみに負けない強い希望と愛に裏打ちされた作品
だと思いました。

タイトル曲に、祈りが込められてています。
スラム街を撮っているのにもかかわらず映像がとても美しい。
愛は音にも映像にも表れるんだなあって思いました。

これはマジでおすすめです。
描かれているのはアメリカだけど、日本にも通じるものはある。
もっと普遍的なものを、描いてると思います。
posted by FM at 02:41| 東京 🌁 | TrackBack(0) | cinema | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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