2006年07月13日

ありきたりな人生なんてない。『ビッグ・フィッシュ』

bigfish.jpg

 ■ビッグ・フィッシュ
 監督: ティム・バートン
 製作: リチャード・D・ザナック ブルース・コーエン ダン・ジンクス リチャード D ザナック
 2003年 アメリカ






こどもの頃からさんざん聞かされてきた父親の尾ひれのついた
武勇伝にうんざりしてた息子と、臨終間際になっても嘘か
ホントか分からない話をし続ける父親の深い溝。

息子は自分は本当の父親を知らないとぶちまけます。
しかし父は「本当の姿が見えないのはお前の問題だ」と言うのです。
そして少しずつ、父の実際の姿が明らかになっていく…。


このお父さんは、田舎町を出て町々をさすらい、素敵な
女の子を射止めて、そして年老いていった、一般化してしまえば
ごくありきたりな人生です。

しかしどんなに平凡に見える人生でも、その人のストーリーに
関わった人にとって、これほどエキサイティングで
感動的なストーリーはないということ。

ストーリの中で、魚が様々なものに見えるというシーンが
出てきます。若かりし父は、裸の女性に見えるのだけれど、
人の人生もそれと同じ。

ある人にとっては平凡な田舎男の一代記。
しかし、ある人から見れば、素晴らしいラブストーリーであり、
冒険談であり、武勇伝となる。

誰の人生、どんな人の人生だって、素晴らしい。
たとえ、一般的にはそうは見えなくても。

父を「片田舎のホラ吹き野郎」と恥ずかしく感じていた息子が、
平凡だったかもしれない父の人生の豊かさ、素晴らしさに
徐々に気がついてゆく時、しかもそれが幼い時から何千回と
語られた話の中に詰まっていたと知る時の感動。
片田舎の話し好きの父を亡くした私には、
その喜びが分かります。

人は、見ようと思ったものしか見られない。
語られる人生、歩むべき人生から何を引き出すかは、
私たち次第だということ。もし、人生の中に豊かさを探せば、
どんなファンタジーでも語れないほどの奇跡を見つけることができる。

それほど、人生は素晴らしい。

そういう気分にさせてくれる、いい映画でした。

最後に、小堺一幾さんの評。
「一番近くて一番遠い、男の子の最初の親友。
なのに、“父”という名に隠れてしまう。
もう一度親友になろう、父と。」
posted by FM at 10:00| 東京 🌁 | TrackBack(0) | cinema | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。